母の祈り

作詞 浦崎芳子
作曲 仲本晶盛
歌   仲本晶盛


一、島尻ぬ果てに 立ち並ぶ碑文
   凌ぢ凌がらん 戦争あたてぃ 

ニ、見りば肝痛さ 岩枕かきてぃ  
   アンマーヨーイあびてぃ
   泣ちやとぅみば

三、泣くなよやりちん 泣かなくらさらん
   湧きぢゆる涙 止みぬならん

四、忘らりていやしが 幾年ゆ経てぃん
   産し子面影や 忘りぐりさ

五、またと此ぬしけに 戦争どんすゆな
   碑文抱ち泣ちゅる 親のくりさ

六、御天地の御神 道知らん産し子
   手引ち極楽ゆ しみてぃたぼり

 
 
  
■解説
 大東亜戦争のためにわが子を失った親の悲しみを詩に綴る。
 戦後五十年余の今日、母の祈りの詩をはぐって見て、平和の礎が建立さ
 れた今、礎をなでながら泣いている肉親、友人の姿、幾年ゆ経てん思い
 は新たに、在りし日面影を思い浮かべて、恒久平和の誓いをしてなぐさ
 めているにちがいない。
 天地の神も聞いて見てその誓いを永遠に変わることないように、二十三
 万余の霊に証人として立つてらているように思われた。
1984年作 浦崎芳子